今回は、妻から離婚すると言われて子供に出て行かれたご主人から、離婚裁判で別居中の子供の連れ戻しについてのご相談です。
結論:子供を実力で連れ戻すと犯罪にとして処罰されたり、監護権者の指定や子供の引渡等で不利に扱われる場合があるので止めましょう。
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1.ご相談者
30代の男性(会社員)
①妻は20代(主婦)
②婚姻期間は5年
③幼稚園の子供が1人
2.ご相談の内容
妻が突然離婚すると言って、実家に子供を連れて出て行き、現在、離婚裁判中です。子供に会いたいのですが、妻が子供に会わせてくれません。
子供を連れ戻しても犯罪になったり、不利に扱われたりしないでしょうか。
3.ご相談への回答
別居中に夫婦の一方が監護している子供を実力で連れ戻すと未成年者略取罪等の犯罪に当たる可能性があります。
また、仮に犯罪として処罰されない場合でも、実力で子供を連れ去ると、監護権者の指定や子供の引渡等で不利に扱われる場合があります。
(1)実力で子供を連れ戻すと犯罪になるの?
夫婦は、離婚するまでは両方とも親権者として子供を監護養育する権利(監護権)を持っていますが、親権者であっても、別居中に夫婦の一方が監護している子供を実力で連れ戻すと未成年者略取罪等の犯罪に当たる可能性があります。
(ケース1)
①事案:離婚の係争中の夫が、別居中の妻が養育していた2歳の長男を、保育園から帰る途中に車で連れ去った
②結論:未成年者略取罪を認めた
③ポイント:妻の監護養育に問題がなかった、連れ去りが粗暴だった、長男が2歳の幼児だった
④判例:裁判所は、妻とその両親に監護養育されて平穏に生活していた長男を連れ去った行為は未成年者略取罪にあたり、長男の監護養育上そのような行動に出る必要がある特段の事情もなく、行為態様が粗暴で強引であること、長男が自分の生活環境についての判断選択の能力が備わっていない2歳の幼児であったこと、略奪後の監護養育について確たる見通しもないことから、家族間の行為として社会通念上許容できないとして、未成年者略取罪を認め、懲役1年、執行猶予4年の刑を言い渡しました(最高裁平成17年12月6日決定)。
(ケース2)
①事案:離婚の係争中、離婚を拒否しているオランダ人の夫が、別居中の妻が養育していた2歳4か月の長女を、オランダに連れて行く目的で、入院中の病院から車で連れ去った
②結論:国外移送略取罪を認めた
③ポイント:長女が平穏に生活していた、実力で連れ去った、長女が2歳4カ月
④判例:裁判所は、妻の下で平穏に暮らしていた長女を 、外国に連れ去る目的で、入院中の病院から連れ出して自分の支配下に置いたのであるから国外移送略奪罪にあたり、病院のベッドから両足を引っ張って逆さに吊り上げ、脇に抱えて連れ去り、自動車に乗せて発進した態様は悪質で、親権者の1人であるとしても違法性は阻却されないとして、国外移送略取罪を認め、妻の実家の玄関のガラスを割った器物損壊罪も含めて、懲役2年、執行猶予3年の刑を言い渡しました(最高裁平成15年3月18日決定)。
このように、子供を無理やり連れ戻すと、犯罪として処罰される可能性があるので、実力で子供を連れ戻すことはしない方がよいでしょう。
(2)実力で子供を連れ戻すと離婚のとき不利になるの?
仮に犯罪として処罰されない場合でも、実力で子供を連れ去ると、監護権者の指定や子供の引渡等で不利に扱われる場合があります。
(ケース)
①事案:夫が保育所から子供を連れ去った妻に対して子供の仮の引渡(仮処分)を請求
②結論:子供の仮の引渡を認めた
③ポイント:夫の監護に問題がなかった
④判例:裁判所は、別居中の夫婦の一方の下で事実上監護されていた未成年者を他方が一方的に連れ去った場合に、監護していた親権者が速やかに未成年者の仮の引渡を求める申し立てをしたときは、従前の監護に戻すと未成年者の健康が著しく損なわれたり、必要な養育監護がなされなかったりするなど、未成年者の福祉に反することが見込まれる特段の事情がない限り、子供の引渡を認めるのが相当であるとした上で、本件ではそのような特段の事情はないとして、子供の仮の引渡を認めました(東京高裁平成20年12月18日決定)。
このように、実力で子供を連れ去ることは違法と評価され、子供の引渡等で不利な事情として扱われるので、この点からも実力で子供を連れ戻すことはしない方がよいでしょう。
(3)子供を連れ戻すにはどうしたらいいの?
子供を連れ戻すためには、子供の引渡を求める裁判をするほかありません。
子供の引渡を求める方法としては、①人身保護法に基づいて子供の引渡請求の訴訟を提起する方法と、②監護権者の指定と子供の引渡の審判の申立、審判前の保全処分の申立をする方法があります。
以前は、①の方法が採られていましたが、最高裁判例によって、人身保護請求による子供の引渡の要件が厳格に解され、子供の引渡が認められる可能性が低くなってしまいました。
(ケース1)
①事案:3歳と4歳の子供(いずれも女児)を連れて墓参に行き、そのまま返さなかった夫に対して、妻が人身保護法に基づいて子供の引渡を請求
②結論:子供の引渡を認めなかった
③ポイント:経済面で妻が劣っていた、夫の監護に特に問題がなかった
④判例:最高裁は、夫による幼児の監護は、親権に基づくものとして特段の事情がない限り適法であるから、引渡請求が認められるためには、夫の監護が子供の幸福に反することが明白であることを要するとし、本件では、夫も妻も、子供に対する愛情、監護意欲、居住環境の点で差がなく、経済的な面では妻は夫に比べて劣るのであり、夫が子供を監護することがその幸福に反することが明白とはいえないとして、妻の引渡請求を認めませんでした(最高裁平成5年10月19日判決)。
(ケース2)
①事案:小学校付近で車に乗せて子供(女児)を連れて行った夫に対して、妻が人身保護法に基づいて子供の引渡を請求
②結論:子供の引渡を認めなかった
③ポイント:気管支喘息の悪化のおそれがあるだけで著しく健康が損なわれていなかった
④判例:最高裁は、人身保護法による引渡請求が認められるのは、夫が幼児の引渡命令の仮処分又は審判等に従わない場合や、妻の監護の下では安定した生活を送ることができるのに、夫の監護の下では著しく健康が損なわれたり、満足な義務教育を受けることができない等の例外的な場合であるとし、本件では、気管支喘息を悪化させるおそれがあるというだけで、具体的に健康が害されるとはいえず、子供は学童として支障のない生活を送っているのであるから、夫の監護がこの幸福に反することが明白とはいえないとして、妻の引渡請求を認めませんでした(最高裁平成6年4月26日判決)。
そのため、現在では、一般的に②の方法が採られています(詳しくはこちら)。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、子供が既に妻の下で生活しているので、子供を実力で連れ戻すと未成年者略取罪等の犯罪に当たる可能性がありますし、仮に犯罪として処罰されない場合でも、実力で子供を連れ去ると、監護権者の指定や子供の引渡等で不利に扱われる場合があるので、実力で子供を連れ戻すことはしない方がよいでしょう。
ご相談者が子供の引渡を求める方法としては、監護権者の指定と子供の引渡の審判の申立、審判前の保全処分の申立をするのがよいでしょう。
子供の引渡が認められるかどうかは、 父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが監護するのが子供の福祉に合致するかという観点から判断するので、ご相談者の場合に直ちに子供の引渡が認められるかどうかは分かりませんが、上の判例で述べたような事情があれば、子供の引渡が認められる可能性はあると言えます。
5.今回のポイント
別居中に夫婦の一方が監護している子供を実力で連れ戻すと未成年者略取罪等の犯罪に当たる可能性があります。
仮に犯罪として処罰されない場合でも、実力で子供を連れ去ると、監護権者の指定や子供の引渡等で不利に扱われる場合があります。
子供の引渡を求める方法としては、一般的に、監護権者の指定と子供の引渡の審判の申立、審判前の保全処分の申立をする方法が採られています。
子供を引き渡すかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが監護するのが子供の福祉に合致するかという観点から判断します。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。