今回は、浮気(不倫)をしたご主人から、浮気した夫が離婚するための別居期間についてのご相談です。
結論:6~8年別居していれば、離婚できる可能性があります。
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1.ご相談者
40代の男性
①妻は40代
②婚姻期間は17年
③高校生と中学生の子供がいる
2.ご相談の内容
私が浮気(不倫)したことが原因で、3年前に妻と別居しています。現在は、浮気(不倫)相手の女性と一緒に暮らし、子供もいます。
浮気(不倫)した私の方からも、別居していれば離婚を請求できると聞いたのですが、何年別居していればよいのでしょうか?
3.ご相談への回答
浮気(不倫)した方からの離婚の請求が認められるためには、少なくとも6~8年は別居している必要があります。
(1)浮気(不倫)した方から離婚を請求することはできるの?
浮気(不倫)など離婚の原因を作った配偶者のことを「有責配偶者」(ゆうせきはいぐうしゃ)といいます。
かつて、有責配偶者からの離婚請求は、正義・公平や社会倫理に照らして許されるものではありませんし、離婚について責任のない配偶者を保護する観点から認められていませんでした。
ところが、昭和62年に、36年間浮気相手と同居し、浮気相手の子供2人を認知している夫が妻に離婚を請求した事案で、最高裁判所は、夫婦の共同生活を営む意思を確定的に喪失してその実体を欠き、回復の見込みが全くない場合には、戸籍上だけの婚姻を存続させることは不自然であるから、正義・公平の観念、社会的倫理観(信義誠実の原則)に照らして容認されるような場合には、有責配偶者からの離婚請求も認められるとしました(最高裁昭和62年9月2日判決)。
そのため、以後、有責配偶者からの離婚請求であっても離婚が認められるようになりました。
(2)どんな場合に離婚請求が認められるの?
有責配偶者からの離婚が認められると言っても、あくまで信義誠実の原則に照らして容認される場合でなければいけません。
具体的には、①夫婦の別居が夫婦の年齢と同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること、②夫婦の間位に未成熟の子がいないこと、③相手の配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれるなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと、が必要とされています(最高裁昭和62年9月2日判決)。
(3)何年別居すればいいの?
どれくらいの別居期間であれば「相当の長期間」といえるのかは一概にいえません。
昭和62年の最高裁は、36年の別居期間で離婚を認めましたが、その後は、30年(最高裁昭和62年11月24日判決)、22年(最高裁昭和63年2月12日判決)、16年(最高裁昭和63年4月7日判決)とだんだん短くなり、現在はさらに短くなっています。
(ケース1)
①事案:浮気をした夫(52歳)が、8年間、別居した妻(55歳)に離婚を請求(同居期間23年)
②結論:離婚を認めた
③ポイント:別居が8年、夫が別居後も妻子の生活費を負担していた、子供が成年
④判例:最高裁判所は、別居期間は8年だが、夫は別居後も妻子の生活費を負担し、別居後間もなく浮気相手との関係を解消し、さらに離婚にあたり財産関係の清算について具体的で相応の誠意がある提案をし、他方、妻は夫名義の不動産に処分禁止の仮処分を執行し、成年に達した子供も離婚については母の意思に任せる意向というのであるから、格別の事情のない限り、別居期間の経過に伴い、双方の諸事情が変容し社会的意味も変化したとして、離婚を認めました(最高裁判所平成2年11月8日判決)。
(ケース2)
①事案:浮気をした夫(52歳)が、6年間、別居した妻(51歳)に離婚を請求(同居期間22年)
②結論:離婚を認めた
③ポイント:別居が6年、夫の浮気について妻にも落ち度がある、子供が成人、妻の生活に支障がない
④判例:裁判所は、別居期間は6年であるが、もともと会話の少ない意思の疎通が不十分な夫婦で、夫が妻と外国人男性との交友に不倫の疑念を抱いて溝が大きく広がったこと、子供はいずれも成人していること、妻は学校に勤務して相当の収入を得ていること、夫は離婚に伴って妻に建物を分与し、住宅ローンも完済するまで払う意向を表明していることを理由に、夫の離婚請求を認めました(東京高裁平成14年6月26日判決)。
これに対して、次のような場合には、離婚の請求が認められていません。
(ケース3)
①事案:浮気をした夫(60歳)が、8年間、別居した妻(57歳)に離婚を請求(同居期間22年、子供は成人)
②結論:離婚を認めなかった
③ポイント:別居が8年、決定的な破綻の責任は夫にある
④判例:最高裁判所は、別居期間は8年であり、双方の年齢や同居期間を考慮すると、別居期間が相当の長期間に及んでいるとはいえないとして、夫の離婚請求を認めませんでした(最高裁判所平成元年3月28日判決)。
別居期間は8年で、ケース1と同じですが、原審の東京高裁の判決は、離婚を認めなかった理由として、婚姻の破綻を決定的にした責任は夫にあることが挙げています。
(ケース4)
①事案:浮気をした夫が、5年間、別居した妻に離婚を請求(同居期間27年、子供は成人)
②結論:離婚を認めなかった
③ポイント:別居が5年、妻の経済的基盤が安定していない
④判例:裁判所は、別居生活は合意によるものでない上、別居期間は必ずしも相当の長期間にわたっているとはいえず、今後の妻の経済的基盤も安定しているものとは見られず、信義誠実の原則に反するとして、夫の離婚請求を認めませんでした(東京高裁昭和62年9月24日判決)。
このように、別居期間が6~8年で離婚が認められている場合もあれば、8年で離婚が認められない場合もあって一概にはいえませんが、少なくとも別居期間として6~8年くらいは必要ということになります。
ただ、そもそも、有責配偶者からの離婚請求が認められるかどうかは、他の要件とも関わりますし、離婚が認められた判例は、未成熟子がいない場合で、有責配偶者が生活費の負担や財産分与の提案をしたり、婚姻関係の破綻についての有責性が低い場合なので、別居期間が6~8年経っているからといって、離婚が認められることにはならないことに注意が必要です。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、別居期間がまだ3年であることを考えると、現時点で離婚が認められることはなかなか難しいといえます。
しかも、高校生と中学生の子供がいるとなると、なおさら離婚が認められる可能性は低くなります。
ただ、将来的に、離婚が認められるかどうか微妙な別居期間になったときには、生活費の負担等、それまでの対応が離婚の判断に影響してくるので、その点については誠意ある対応をしておくとよいでしょう。
5.今回のポイント
浮気をした配偶者からの離婚請求が認められるためには、①夫婦の別居が夫婦の年齢と同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること、②夫婦の間位に未成熟の子がいないこと、③相手の配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれるなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないことが必要で、別居期間は要件の1つにすぎません。
別居期間は、少なくとも6~8年くらいは必要ですが、別居期間が6~8年経っているからといって、離婚が認められるとは限りません。
離婚を認められやすくするためには、生活費の負担や財産分与で相手に有利な提案をするなど、誠意ある対応をする必要があります。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。