今回は、夫に浮気(不倫)された奥様から、浮気(不倫)相手に対する慰謝料についてのご相談です。
結論:夫と離婚する場合、浮気(不倫)相手に100~300万円の慰謝料を請求できる可能性があります。離婚しない場合には、それよりも低くなります。
詳しくは下記のブログをお読みください。
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1.ご相談者
30代の女性(主婦)
①夫は40代(会社員)
②婚姻期間は9年
③小学生の子供が1人
2.ご相談の内容
2~3か月前に私が子供を連れて実家に帰り、実家から自宅に戻ってくると、家の様子がおかしく、夫の様子もおかしかったので、興信所に素行調査をしてもらったら、夫が不倫をしていることが分かりました。
まだ、子供も小さいので、夫と離婚するかどうかは迷っていますが、相手の女性には、きっちり慰謝料を払ってもらいたいと思います。
浮気をした相手の女性に、いくら慰謝料を請求できるでしょうか?
3.ご相談への回答
夫と離婚する場合、浮気相手に請求する慰謝料の相場は100~300万円です。
離婚しない場合には、それよりも低くなります。
(1)どんな場合に浮気(不倫)相手に慰謝料を請求できるの?
浮気は、性的関係を持つことによって相手方配偶者の夫婦としての権利を侵害するわけですから、当然違法となり、慰謝料を払わなければなりません(最高裁昭和53年3月30日判決)。
浮気相手への慰謝料が認められるためには、①浮気の事実があること、②浮気相手が浮気であることを知っているか、知らないことに過失があること、③夫婦関係が破綻していないことが必要です。
(2)浮気はどうやって証明するの?
浮気相手への慰謝料が認められるためには、①浮気の事実があることが必要です。
浮気の事実は、写真・動画、メール・SNS、浮気を認めた録音、ラブホテルの領収書、調査会社による素行調査の報告書などによって立証します。
浮気の事実が証明できないと、慰謝料は請求できません。
(ケース)
①事案:夫の社宅で一緒に鍋料理を食べていた女性に対して妻が浮気を理由に400万円の慰謝料を請求
②結論:慰謝料を認めなかった
③ポイント:一緒に女性と部屋にいただけでは浮気の立証にはならない
④判例:裁判所は、夫が妻の追及にあいまいな対応をしたのは、妻の執拗な追及に辟易し、反論しても無駄であるとの投げやりな気持ちから生返事を繰り返していただけであり、また、鍋料理を二人で食べていたことは、女性が妻から追い詰められた精神状態で夫と相談せざるを得ない状況で、仕事を抜け出せない夫が社宅で待ってもらっていたということが認められ、これだけでは浮気を推認させるに十分なものとはいえず、浮気の立証はないとして、慰謝料の請求を認めませんでした(東京地裁平成28年8月2日判決)。
(3)浮気相手が浮気と知らなかったと言ったらどうなるの?
慰謝料が認められるためには、②浮気相手が浮気であること、つまり交際相手が結婚していることを認識しているか、認識していないことに過失があることが必要です。
そのため、浮気相手からよく「結婚しているとは知らなかった」という反論がされます。
ただ、結婚しているとは知らなかったと言っても、実際には知っていて慰謝料の支払を免れる方便として言われることも多いのです。このような場合には、当然慰謝料を請求することができます。
また、結婚しているのを知らなくても、うすうす結婚しているのではないかと思っていたりすることも多いのです。このような場合、仮に結婚していると知らなかったとしても、結婚していると気付くことができたような場合には、知らなかったことについて過失があるので、慰謝料を請求することができます(詳しくはこちら)。
(4)浮気相手が夫婦関係は破綻していたと言ったらどうなるの?
最後に、慰謝料が認められるためには、③夫婦関係が破綻していないことが必要です。
浮気をした当時、既に夫婦関係が破綻している場合には、配偶者には婚姻共同生活の平和の維持という法的な利益がなく、権利侵害が認められないので慰謝料は認められません(最高裁平成8年3月26日判決)。
そのため、浮気相手は、「夫(妻)から夫婦関係が破綻していると聞いている」と言って、慰謝料の支払を拒否することがよくあります。
ただ、夫婦関係が破綻していると聞いていたとしても、実際に夫婦関係が破綻しているかどうかが重要で、実際に夫婦関係が破綻していない場合には、浮気相手に慰謝料を請求することができます(詳しくはこちら)。
(5)浮気(不倫)相手に請求する慰謝料の相場は?
浮気の慰謝料は、浮気の期間や回数の他、夫婦の年齢、収入、婚姻期間、婚姻生活の状況、子供の有無、浮気によって婚姻生活が破綻したか否か等が考慮されます。
このように、浮気の慰謝料はさまざまな事情が考慮されるので、その金額もケースバイケースですが、浮気によって離婚した場合には、一般的に慰謝料が高くなる傾向があり、慰謝料の相場としては100~300万円程度です。
(ケース1)
①事案:結婚5年で、1歳の子供がいる妻が夫の浮気相手に1000万円の慰謝料を請求((3)のケース)
②結論:100万円
③ポイント:婚姻期間が比較的短い、虚偽の説明をした夫に責任がある、妻が夫に損害賠償をしている
④判例:裁判所は、浮気相手は、妻とは離婚した旨の夫の発言を漫然と信用した点で落ち度があるが、その主要な責任は虚偽の説明をした夫にあり、過失の程度は重大とはいえないこと、妻が夫に損害賠償を請求していることを理由として、慰謝料を100万円としました(東京地裁平成28年5月9日判決)。
(ケース2)
①事案:結婚20年で、2人の未成年の子供がいる妻が夫の浮気相手に500万円の慰謝料を請求
②結論:200万円
③ポイント:婚姻期間が長い、浮気相手との間に子供がいる
④判例:裁判所は、婚姻関係の破綻が夫と浮気相手の交際であること、既に離婚していること、浮気相手は浮気についての責任を全く自覚していないこと、夫と浮気相手の間に子供がいることなどを理由として、慰謝料を200万円としました(東京地裁平成19年12月27日判決)。
(ケース3)
①事案:結婚20年で、2人の成年、1人の未成年の子供がいる妻が夫の浮気相手に500万円の慰謝料を請求
②結論:300万円
③ポイント:婚姻期間が長い、浮気の期間が長い、浮気相手との間に子供がいる
④判例:裁判所は、浮気相手は夫と連帯して責任を負うこと、一度交際を解消した後、再度交際を開始し、夫と浮気相手が同居して長期間(9年)経過していること、夫が浮気相手との間の子供を認知していること、妻から離婚訴訟が提起されていることなどを理由として、慰謝料を300万円としました(東京地裁平成28年4月6日判決)。
以上は、離婚した場合の慰謝料です。
(6)夫と離婚しない場合の慰謝料はどうなるの?
離婚せずに浮気相手に慰謝料を請求する場合は、離婚する場合と比べて一般的に低くなる傾向にあります。
(ケース1)
①事案:離婚していない妻が夫の浮気相手に500万円の慰謝料を請求
②結論:50万円
③ポイント:離婚していない、夫に資力がなく、浮気相手が夫に請求できない
④判例:裁判所は、妻は、夫婦関係が20年以上継続し、浮気によって婚姻関係、家庭生活の平穏が相当程度、乱されているが、現時点で離婚しておらず、夫の無資力により浮気相手から夫への請求ができない可能性があり、浮気を主導したのが夫であったことを理由に、慰謝料を50万円としました(東京地裁平成28年3月24日判決)。
(ケース2)
①事案:結婚して19年の妻が夫の浮気相手に300万円の慰謝料を請求
②結論:100万円
③ポイント:離婚していない、夫に請求する可能性がある
④判例:裁判所は、交際期間が1年8カ月と比較的短期間であり、夫婦の婚姻関係は現在も円満に継続していること、夫は浮気相手に対して、再三婚姻関係が破綻していると虚偽の説明をして交際を求めていたことを理由として、慰謝料を100万円としました(東京地裁平成28年4月22日判決)。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、素行調査によって浮気が認められたということなので、浮気自体はあまり問題はなさそうですし、夫婦関係も破綻していないので、浮気相手の認識は問題にはなりますが、慰謝料自体は認められる可能性は高そうです。
ご相談者は現在、離婚をするかどうか迷っているということですが、仮に離婚しないとすると、離婚した場合と比べて慰謝料は低くなりますので、注意が必要です。
慰謝料はケースバイケースですが、離婚しない場合は、50~100万円、離婚する場合には100~300万円がおおよその目安になります。
5.今回のポイント
浮気相手への慰謝料が認められるためには、①浮気の事実があること、②浮気相手が自分の交際相手が結婚していることを認識しているか、認識していないことに過失があること、③夫婦関係が破綻していないことが必要です。
浮気の慰謝料の金額は、浮気の期間や回数の他、夫婦の年齢、収入、婚姻期間、婚姻生活の状況、子供の有無、浮気によって婚姻生活が破綻したか否か等が考慮されます。
離婚した場合の浮気相手に対する慰謝料の相場は100~300万円程度です。
6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。