今回は、夫からDV(暴力)を受けている奥様から、DV夫と子供との面会交流の拒否についてのご相談です。
結論:DV夫と子供を直接面会させないことができます。
詳しくは下記のブログをお読みください。
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1.ご相談者
20代の女性(主婦)
①夫は20代(会社員)
②婚姻期間は3年
③幼児が1人
2.ご相談の内容
夫は、子供ができてから、気に入らないことがあると私に暴力を振るうようになり、現在、離婚の調停をしています。夫からは、子供との面会を要求されていますが、DVの夫に子供を会わせるのは、子供にとっても悪影響ですし、何より子供との面会のために私が夫と会うのも苦痛です。
DVの夫と離婚するのに、子供と面会させないといけないのでしょうか?
3.ご相談への回答
DVで保護命令が発令されている場合には、子供と直接会う方法での面会交流が認められないことがあります。
ただ、直接的な面会交流が認められない場合であっても、場合によっては、監護している親が手紙や写真を送ったり、監護していない親がプレゼントを送ったりするなどの、間接的な面会交流が認められることがあります。
(1)子供と面会させないといけないの?
離婚すると父母のどちらかが親権者になり、子供を監護養育することになりますが、親権者とならなかった親として子供と会いたいと思うのは自然なので、法的な権利かどうか、親の権利なのか、子供の権利なのかといった議論はありますが、子供の監護の一内容として、子供を監護養育していない親が子供と面会すること(面会交流)が認められています(最高裁平成12年5月1日決定)。
他方、親ではない祖父母や兄弟姉妹には、面会交流権は認められないとするのが一般的です。
(2)面会交流は何を決めたらいいの?
まずは、話し合いによって面会交流の日時、場所、回数、方法等について決めます。
話し合いによって解決しない場合には、家庭裁判所に子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。
(3)面会交流はどんな基準で決めるの?
子供を監護養育していない親であっても、親子関係があることは間違いありませんし、子供の健全な成長の観点からも、できる限り面会交流が認められるべきとされています。
ただ、面会交流にあたっては、子供の利益を最優先しなければならないとされているので、「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。
たとえば、監護していない親が子供に暴力をふるっていたような場合には、面会によって子供に与える影響は大きいので、面会交流は認められません。
面会交流を認めるかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、面会交流を認めることによって「子の福祉」を害さないかどうかで判断されます。
具体的には、子供の年齢、子供の意向、子供の心身に及ぼす影響、子供の監護の状況、監護している親の生活状況、監護養育していない親と子供との関係、離婚原因等が考慮されます。
(4)DVの場合に面会交流が認められるの?
DVで保護命令が発令されている場合には、子供と直接会う方法での面会交流が認められないことがあります。
(ケース1)
①事案:保護命令を発令された夫が、一時的に行っていた面会交流を拒否した妻に、子供(7歳)への面会交流を請求
②結論:面会交流を認めなかった
③ポイント:夫の子供に対する行動に問題がある、妻が夫に強い不信感を抱いて直接・間接の面会交流が困難
④判例:裁判所は、面会交流についての紛争状態が長期間にわたって続き、夫が妻を「虐待者」「異常者」等と非難したり、妻の意に反して未成年者に話しかけたりする一方、妻は精神的に疲弊し、夫に強い不信感、嫌悪感を抱いていることから、面会交流の実施に当たって協力関係を期待することは困難であり、また、面会交流を実施すれば、未成年者が両親の抗争に巻き込まれ、心情の安定を害するおそれが高く、第三者機関の関与があっても、円滑な面会交流は期待できず、さらに、夫にも妻や未成年者の心身の状況、生活状況等に配慮した適切な面会交流を期待することは困難であり、子の福祉に合致しないとして、面会交流を認めませんでした(仙台家裁平成27年8月7日審判)。
ただ、直接的な面会交流が認められない場合であっても、場合によっては、監護している親が手紙や写真を送ったり、監護していない親がプレゼントを送ったりするなどの、間接的な面会交流が認められることがあります。
(ケース2)
①事案:妻に暴力を振るって保護命令を発令された夫が、子供(3歳と1歳)への面会交流をを請求
②結論:間接交流を認めた
③ポイント:父が子供と長期間、面会していない、妻がPTSDで直接の面会交流に対応できない
④判例:裁判所は、子供が別居後3年6か月以上父と面会しておらず、父と認識・記憶しているか怪しく、父の暴力を見てマイナスイメージを有している可能性があることから、直接的な面会交流は相当ではないとしつつ、夫が面会交流に応じない妻を激しく非難し、妻も心的外傷後ストレス障害であり、夫とのやりとりを前提とする面会交流への協力を求めることは無理であり、また、子供たちも父母の間に挟まれて苦しむことは容易に想像でき、情緒障害の診断もされていることから、妻と夫とのやりとりを前提とする面会交流は子の福祉に反するとして、4か月に1回程度、子供の写真を送ることを認めました(東京家裁平成27年2月27日審判)。
このように、DVの場合に面会交流が認められるかどうかは、ケースバイケースです。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者がDVの夫に子供を会わせるのに夫と会うのが苦痛というのは、非常によく分かりますが、面会交流は「子の福祉」を害さない限り、できる限り認めるべきとされているので、DVだからと言って直ちに面会交流が認められないということにはなりません。
ただ、DV被害によって直接夫と面会するのが難しいのが通常でしょうから、その場合には、第三者機関を利用しての面会交流だったり、手紙や写真などの間接的な面会交流が取られることがあります。
5.今回のポイント
子供を監護養育していない親は、子供と面会すること(面会交流)が認められています。
子供との面会交流については、まずは、話し合いによって面会交流の日時、場所、回数、方法等について決め、話し合いによって解決しない場合には、家庭裁判所に子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。
面会交流は、できる限り認められるべきとされていますが、「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。
DVで保護命令が発令されている場合には、子供と直接会う方法での面会交流が認められないことがありますが、直接的な面会交流が認められない場合であっても、場合によっては、監護している親が手紙や写真を送ったり、監護していない親がプレゼントを送ったりするなどの、間接的な面会交流が認められることがあります。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。