離婚する妻に子供との面会を拒否されているご主人から、子供と面会交流するための方法と条件についてのご相談です。
結論:子供との面会を拒否されたときは、家庭裁判所に調停の申立てをして、面会交流の回数、日時、場所、方法などを決めることができます。
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1.ご相談者
30代の男性(会社員)
①妻は20代(主婦)
②婚姻期間は8年
③小学生の子供が1人
2.ご相談の内容
突然、妻が離婚すると言って、子供を連れて出て行きました。離婚の決意は固いようで、離婚もやむを得ないと思っていますが、子供とは今後もぜひ会いたいと思っています。しかし、妻は、私が子供との面会を求めても、全く応じません。
妻から子供との面会を拒否された場合に、子供と面会するにはどうしたらよいでしょうか?
また、面会にあたってどのような条件を決めておけばよいでしょうか?
3.ご相談への回答
子供との面会を拒否された場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。
面会に当たっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などを決める必要があります。
(1)子供と面会するにはどうしたらいいの?
離婚するにあたっては、父母と子供との面会その他の交流について定めることとされています(民法766条1項)。
離婚すると父母のどちらかが親権者になり、子供を監護養育することになりますが、親権者とならなかった親として子供と会いたいと思うのは自然なので、法的な権利かどうか、親の権利なのか、子供の権利なのかといった議論はありますが、子供の監護の一内容として、子供を監護養育していない親が子供と面会すること(面会交流)が認められています(最高裁平成12年5月1日決定)。
したがって、子供を監護していない親は、子供を監護している親に対して、子供との面会を求めることができます。
面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。
なお、面会交流の申立てにあたっては、一般的に、祖父母や兄弟姉妹が面会交流を求めることはできないとされています。
(2)面会の条件はどうやって決めるの?
面会交流について話し合うにあたっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などの面会の条件を決める必要があります。
面会交流の回数については、子供の年齢や部活など生活状況にもよりますが、1か月に1回、あるいは3~4か月に1回など様々です。
面会交流の方法については、直接面会する場合には、宿泊をせず、数時間面会するのがほとんどですが、年に何回かは自宅や旅行など宿泊することもあります。
直接面会することが認められない場合であっても、電話や手紙のやりとり、写真やプレゼントの送付など、間接的に交流することもあります。
また、直接面会する場合であっても、当事者だけでは不安な場合には、費用がかかる場合もありますが、第三者機関が支援する方法もあります。
(3)調停はどうやって進むの?
当事者間の話し合いで面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、まず家庭裁判所に面会交流の調停を申し立て、合意できない場合に、審判に移行するのが一般的です。
調停では、子供を監護している親が、面会によって子供を連れ去られる危険や、相手方に対する嫌悪感もあって、面会交流を拒否することも多く、面会させるかどうか、面会の回数や方法などで激しく対立することも多く、長期化することもしばしばです。
裁判所は、離婚に至る経緯はもちろん、同居していたときの子供の監護状況や親子関係、別居後の子供の監護状況、子供の意向などについて、双方から意見を聴きます。
また、子供の意向や監護状況を調査するため、子供や親に対して家庭裁判所調査官による調査が行われたり、監護していない親と子供との交流を観察するために、裁判所の中で試行的に面会交流が行われることもあります。
(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?
面会交流を決めるにあたって、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。
調査官は、調査にあたって、子供に、生活状況や親との関係、面会交流についての意向などを聞きます。また、親に対しても、現在の生活状況、現在あるいは別居前の親子関係、面会交流についての意向などを聞きます。
他に、面会交流を認めるべきかどうか、どのような方法によって面会交流を認めたらよいかなど、面会交流についての意見を述べたりします。
子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。
調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。
子供が15歳以上の場合、親権者の変更にあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。
(5)試行的な面会交流って何をするの?
試行的な面会交流は、子供と監護していない親との交流を観察して両者の関係を見たり、監護している親が実際に交流の様子を見ることによって不安を解消したりするために行われます。
小さな子供を対象として行われることが多く、裁判所の中にある、おもちゃなどが置いてあるプレイルームで行われます。
プレイルームには、監護していない親と子供の他は調査官がいるだけで、監護している親は別室でその様子を見ます。
調査官は、プレイルームにはいますが、親と子供の交流がスムーズに行くように声を掛けたり、子供を不安にするようなことを言わないよう注意したりする程度で、親と子供の交流を観察しています。
面会交流は30分程度です。
調査官は、試行的な面会交流の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることも多いので、当事者にとってはとても重要です。
(6)面会交流はどんな基準で判断するの?
子供を監護養育していない親であっても、親子関係があることは間違いありませんし、子供の健全な成長の観点からも、できる限り面会交流が認められるべきとされています。
ただ、面会交流にあたっては、子供の利益を最優先しなければならないとされているので、「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。
たとえば、監護していない親が子供に暴力をふるっていたような場合には、面会によって子供に与える影響は大きいので、面会交流は認められません。
面会交流を認めるかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、面会交流を認めることによって「子の福祉」を害さないかどうかで判断されます。
具体的には、子供の年齢、子供の意向、子供の心身に及ぼす影響、子供の監護の状況、監護している親の生活状況、監護養育していない親と子供との関係、離婚原因等が考慮されます。
(7)面会交流はどんな場合に認められるの?
(ケース1)
①事案:離婚後、元妻から面会交流を拒否された父親が、長女(12歳)、長男(9歳)、二女(6歳)との面会交流を請求
②結論:長女についてのみ面会交流を認めた
③ポイント:長女は父との面会を拒否しなかった、長男は父との面会を拒否した、二女はまだ小さく、面会交流による両親の紛争に巻き込まれる
④判例:裁判所は、長女は父親に強い否定的感情を抱いているとは認められないこと、現在12歳で、両親の関係について理解し、自身で父との面接の可否について自立的に判断できること、長男は、両親の激しい紛争を見て、父親との面会交流を希望していないこと、二女は、意向ははっきりしないが、年齢から意向を重視できないこと、面会交流を拒否する母親の協力は得られず、なお面会交流を実現しようとすると、両親の紛争を再燃させ、子の福祉を害するおそれがあることを理由に、長女については面会交流を認めましたが、長男と二女については面会交流を認めませんでした(東京家裁八王子支部平成18年1月31日審判)。
ここでは、子供の意向が重視されています。
(ケース2)
①事案:長男(13歳)と長女(9歳)との面会交流に反対する元妻に、元夫が子供たちとの面会交流を請求
②結論:長男についてのみ面会交流を認めた
③ポイント:長男は中学2年生で単独で面会交流が可能、長女は小学4年で単独での面会交流が困難
④判例:裁判所は、子供たちが再婚相手と養子縁組して新たな親子関係が形成され、安定した生活を送っていること、長女はまだ小学4年生で十分な分別心がなく、単独で面会交流をさせると心理的な動揺や混乱を招くおそれがあること、他方、長男は中学2年生で、元妻の協力がなくても単独で面会交流が可能で、離婚や再婚についても理解できる年齢にあることを理由に、長女については面会交流を認めませんでしたが、長男については年1回の面会交流を認めました(横浜家裁平成8年4月30日審判)。
ここでは、子供の年齢や心身への影響が重視されています。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、妻が子供との面会に応じないとのことなので、当事者の話し合いで解決するのは困難です。したがって、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に面会交流の申立をする必要があります。
ただ、離婚もやむを得ないと考えているのであれば、離婚の調停の中で、親権者を決めて、面会交流についても話し合うのも1つの方法です。
面会交流は、親権とも絡むのでなかなか難しいですが、特に子供に対する暴力など、子の福祉を害するような事情がなければ、面会交流は認められる可能性は高いといえるので、面会交流の条件についてしっかり整理して主張するようにしましょう。
5.ご相談後の対応
ご相談後、奥様の代理人と交渉を開始しました。
離婚については双方で一致しましたが、面会交流については合意できなかったので、奥様の方で離婚調停を申し立ててもらい、その中で、面会交流について話し合いました。
奥様は、夫と子供の面会交流を認めず、その理由として、子供が夫と会うのを嫌がっていることを挙げていましたが、ご主人としては、これまでそのようなことはなく、子供がそのようなことを言うはずがないし、妻が子供に吹き込んでいるだけだと主張しました。
そこで、まず、家庭裁判所の調査官が子供や両親と面談して(意向調査)、子供の生活状況や意向を確認し、その後、一度、裁判所で試行的な面会交流をすることになりました。
意向調査では、子供から、父に対して否定的な発言もありましたが、「お父さんと会ってもいい」ということで、裁判所で面会交流をしました。
面会交流では、久しぶりにお父さんと会ったからか、最初はぎこちなった様子でしたが、次第に打ち解けた様子でした。
その後、意向調査と試行的な面会交流を踏まえた調査官の意見に基づいて、最初は1か月に1回の面会交流から始め、慣れたら徐々に面会を増やすことで合意ができました。
6.今回のポイント
子供を監護養育していない親は、子供の監護の一内容として、子供と面会すること(面会交流)が認められています。
面会交流について話し合うにあたっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などの面会の条件を決める必要があります。
面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをします。
裁判所は、離婚に至る経緯はもちろん、同居していたときの子供の監護状況や親子関係、別居後の子供の監護状況、子供の意向などについて、双方から意見を聴きます。
また、子供の意向や監護状況を調査するため、子供や親に対して家庭裁判所調査官による調査が行われたり、監護していない親と子供との交流を観察するために、裁判所の中で試行的に面会交流が行われることもあります。
裁判所は、調査官の調査報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。
「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。
面会交流を認めるかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、面会交流を認めることによって「子の福祉」を害さないかどうかで判断されます。
6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ
ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。
当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。
まずは、安心してお気軽にご相談ください。
>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら
7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。