今回は、奥様の浮気(不倫)が原因で離婚を考えているご主人から、浮気をした妻の親権についてのご相談です。
結論:妻が浮気をしたとしても、妻が親権者になる場合もあります。
詳しくは下記のブログをお読みください。
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1.ご相談者
30代の男性(会社員)
①妻は30代(会社員)
②婚姻期間は6年
③幼稚園と3歳の2人の子供
2.ご相談の内容
私も妻もそれぞれ仕事をしていますが、最近、妻が会社の同僚と浮気(不倫)をしていることが分かりました。小さい子供もいるので、私も色々と考えましたが、やはりどうしても我慢できず、離婚したいと考えています。ただ、浮気(不倫)をした妻が子供を育てるのはおかしいと思います。
浮気(不倫)をした妻が親権者になれるのでしょうか?
3.ご相談への回答
親権者を決めるにあたって、浮気(不倫)が考慮されることはほとんどなく、浮気(不倫)をした妻が親権者となることもあります。
(1)親権者はどんな基準で決めるの?
離婚する場合、父母の一方を親権者と決めなければいけませんが、夫婦で話し合いがつかなければ、家庭裁判所が親権者を決めることになります。
裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。
具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。
(2)浮気(不倫)をした妻が親権者になれるの?
このように、親権者は「子供の利益」の観点から総合的に判断され、浮気(不倫)などの離婚原因はあくまで1つの事情にすぎません。
したがって、妻が浮気をしたからといって、当然に夫が親権者になるわけではありません。
(ケース1)
①事案:夫が浮気をした妻に対して、長女(16歳)・長男(11歳)の親権を請求
②結論:妻が親権者になった
③ポイント:子供たちが別居後母と生活していた、長女は母と生活することを望んだ
④判例:裁判所は、妻の浮気を認めた上で、子供たちが別居後、母と生活していること、学校には浮気相手の自宅から通学し特段の不自由は感じていないこと、長女は父と生活することを望んでいないことを理由に、親権者を母としました(東京地裁平成17年1月25日判決)。
(ケース2)
①事案:夫が浮気をした妻に対して、長男(10歳)の親権を請求
②結論:妻が親権者になった
③ポイント:長男が母と生活していた、長男が10歳で母親が必要
④判例:裁判所は、婚姻が破綻した原因は、妻の度を越した遊興生活や子供を連れて長期間別居するなどの自己本位な態度によるとした上で、長男は母の監護の下、母の実母や兄弟と生活していること、現在は母が昼間のみ勤務し、長男と過ごす十分な時間を確保していること、長男の生育状況が極めて健全であること、長男がまだ10歳で、母親の情愛が不可欠であること、長男自身が母親との生活に親和性を感じていることを理由として、親権者を母としました(東京地裁平成17年2月22日判決)。
このように、親権者を決めるにあたって、浮気は考慮されていません。むしろ、子供が一緒に生活していることや子供の意思が重視されているといえます。
(3)妻が浮気(不倫)をしても夫は親権者になれないの?
もちろん、妻が浮気をしたときに、夫が親権者になる場合はあります。
(ケース1)
①事案:夫が浮気をした妻に対して、長男(7歳)・二男(6歳)・長女(5歳)の親権を請求
②結論:夫が親権者になった
③ポイント:妻が子供たちの面倒を看ていない
④判例:裁判所は、妻の浮気を認めた上で、夫が住んでいるマンションは子供と同居しても十分な広さがあること、夫には子供の養育に必要な資力があること、同居の実母が子供の養育に協力する旨を申し出ていること、父がフィリピンを訪れ、子供たちが父を歓迎していること、妻は子供たちをフィリピンにおいて妹に面倒をみさせ、自分は日本で就労していることを理由として、親権者を父としました(東京地裁平成15年12月16日判決)。
ただ、この場合も、妻の子供に対する監護の状況から、親権者としての務めを果たすことは期待できないとして親権者を夫としたのであって、妻の浮気を理由にしているわけではありません。
(ケース2)
①事案:夫が浮気をした妻に対して、長男(高校生)・長女(中学生)の親権を請求
②結論:長男は夫が親権者になった、長女は妻が親権者になった
③ポイント:長男は父と生活することを希望した、長女は母と生活することを希望した
④判例:裁判所は、妻の浮気を認めた上で、長男については、いったん母と家を出たが、数日後自らの意思で父のもとに戻って、父のもとから高校に通学していること、父の長男に対する養育状況に問題がないこと、母が長男の親権を求めていないことを理由として、親権者を父としましたが、長女については、母と家を出た後、母と同居し、母のもとから学校に通学していること、父の強権的な面に強い嫌悪感を表明し、今後も母と生活することを望んでいること、母の長女に対する養育状況に問題がないことを理由として、親権者を母としました(東京地裁平成17年2月10日判決)。
ここでも、妻の浮気を理由に親権者を夫としていませんし、長女については妻を親権者としています。
こうしてみると、いずれにせよ、親権者を決めるにあたって、浮気は考慮されていません。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、確かに、離婚の原因は妻の浮気(不倫)にあるので、浮気(不倫)をした妻が親権者となるのはおかしいという考えは心情的には理解できます。
ただ、実際に裁判になった場合には、浮気(不倫)をしたことからすぐに親権者があなたになるわけではありません。
特に、子供が幼稚園と3歳ということなので、母親が親権者となる可能性が高いと言えます。
あなたが親権者になるためには、妻が育児を放棄しているなど、監護養育の観点からみて問題となる事情が必要で、このような事情がないと、親権者となるのはなかなか難しいと言えます。
5.今回のポイント
親権者は、父母の事情と、子供の事情を総合的に考慮して、どちらを親権者とするのが「子供の利益」になるかで判断します。
具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
浮気(不倫)などの離婚原因はあくまで1つの事情にすぎず、妻が浮気(不倫)をしたからといって、直ちに夫が親権者になれるわけではありません。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。