今回は、離婚を考えているご主人から、父親の親権についてのご相談です。
結論:子供の監護の状況などによっては、父親が親権者となる可能性があります。
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1.ご相談者
40代の男性(会社員)
①妻は40代(主婦)
②婚姻期間は15年
③2人の小学生の子供
2.ご相談の内容
妻と性格が合わず、ちょっとしたことですぐに口論になります。長年このような状態が続き、家庭内別居のようになっているので、妻と離婚の話をしているのですが、どちらが親権者になるか揉めています。父親はなかなか親権者になれないと聞きます.
父親が親権者になるにはどうしたらよいでしょうか?
3.ご相談への回答
9割程度は母親が親権者になるといわれていますが、父親が親権者になる場合が全くないというわけではありません。
父親が親権者となるためには、子供の意思や、これまでの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが重要です。
(1)親権者はどんな基準で決めるの?
離婚する場合、父母の一方を親権者と決めなければいけませんが、夫婦で話し合いがつかなければ、家庭裁判所が親権者を決めることになります。
裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。
具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。
(2)子供が小さいと親権者は母親になるの?
このように、親権者は、どちらを親権者とするのが子供の利益になるかで判断するので、必ずしも父親が親権者になれないわけではありません。
とはいえ、母親が親権者になることが多いのも事実で、実際には9割程度は母親が親権者になるといわれています。
これは、先程の親権者の判断基準の中に「乳幼児は、母親の監護養育が優先されるべき」という考え(母親優先の原則)があるからです。そのため、父親に子供の監護養育に特に問題がない場合であっても、母親が親権者になることが多いのです。
(3)父親が親権者になれるのはどんな場合?
父親が親権者になる場合は少ないですが、全くないというわけではありません。
(ケース1)
①事案:妻が夫の暴力と女性関係を理由に、離婚と長女(3歳8か月)の親権を請求
②結論:父親が親権者になった
③ポイント:長女は父親と同居していた、長女は妻を母親と認識していない
④判例:裁判所は、長女は夫が転居した後も夫と同居を続けていること、その間、夫が愛情をもって長女を養育し、長女の養育に特段の問題はないこと、妻は1年以上長女と面会しなかったこと、長女は妻を母親であるとの認識がないような状態になったことから、父と同居して良好な関係が係属している現状を維持することが相当であるとして、父を親権者としました(東京地裁平成17年10月12日判決)。
ここでは監護の継続性が重視されています。
(ケース2)
①事案:妻が夫の自己中心的な性格等を理由に、離婚と長女(16歳)・長男(13歳)の親権を請求
②結論:長男の親権者は父親、長女の親権者は母親になった
③ポイント:父親はこれまでに長男と過ごす時間を持っていた、長男は13歳で同性の親を必要とする度合いが高い
④判例:裁判所は、夫の人格的問題については、親権者指定においてさほど重視すべき要因ではないこと、子供の年齢からすると、親権者としての母の必要性は相当程度減退していること、これまでは妻が子供との接触を保っていたが、離婚後は仕事で子供との接触が少なくなることが予想される一方、夫については、これまで休日に長男と過ごす時間を持っていたことが認められ、今後は自宅での仕事時間を増やして帰宅時間を早めることで、子供との接触時間を増やすことが可能であること、子供の年齢に照らすと、同性の親を必要とする度合いが高い段階にあることを理由として、長女の親権者を母、長男の親権者を父としました(東京地裁平成17年8月22日判決)。
ここでは兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則とは逆の結論になっていますが、子供の年齢と性別が重視されています。
ちなみに、この判例では、離婚原因は、夫ではなく、妻が自分の要求を押し通し、全ての非は夫にあるとして夫を排除する行動をとったことにあるとしています。
(ケース3)
①事案:夫が妻の異常行動を理由に、離婚と長女(14歳)の親権を請求
②結論:父親が親権者になった
③ポイント:長女が母親との生活を希望していない、長女は14歳
④判例:裁判所は、子供が母の異常行動や過干渉を嫌悪し、家出していること、子供は現在14歳であり、その意向を尊重すべきこと、経済的に母が単身で子供の監護をするゆとりがないこと、子供は親が日常的な家事を行わなければならないほど未成熟でないこと、父の住居には兄弟等が住み、子供の監護を期待できることを理由として、親権者を父としました(東京地裁平成17年1月26日判決)。
ここでは子供の意思の尊重が重視されています。
(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?
ところで、親権者を決めるにあたっては、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。
調査官は、子供に、監護の状況、例えば、子供の生活状況や心身の状況を聞いたり、親との関係や親権者についての意向を聞いたりします。また、親に対しても、就労状況、経済状況、子供との関わりなどについて聞きます。
他に、どちらが親権者としてふさわしいか意見を述べたりします。
子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。また、必要に応じて、学校や保育園等を訪問して調査をすることもあります。
調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに親権者を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。
子供が15歳以上の場合、親権者を指定するにあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、「性格の不一致」が離婚原因のようですが、相談内容を見る限り、特に子供の監護養育の観点からみて、妻を親権者とすることに問題になるような事情はありません。
そうすると、2人の子供は小学生ということなので、乳幼児というわけではありませんが、やはりまだ小学生ですから、一緒にいる機会の多い母親が親権者となる可能性が高いと言えるでしょう。
あなたが親権者となるためには、子供の意思や、これまでのあなたの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが必要になります。
5.今回のポイント
親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。
具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。
9割程度は母親が親権者になるといわれていますが、父親が親権者になる場合が全くないというわけではありません。
父親が親権者となるためには、子供の意思や、これまでの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが重要です。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。