今回は、離婚したお父様から、親権者の変更についてのご相談です。
結論:現在の監護状況が子供の利益にならない場合には、親権者を変更できる可能性があります。
詳しくは下記のブログをお読みください。
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1.ご相談者
30代の男性(会社員)
①元妻は30代(会社員)
②婚姻期間は6年
③子供は小学生が1人
2.ご相談の内容
元妻とは性格が合わず、口論が絶えなかったので、4年前に協議離婚しました。そのときは、子供もまだ小さかったので、仕方なく元妻を親権者とすることに同意しました。
ところが、最近、元妻が実家から出て行き、子供の面倒を看ず、祖母と生活していることが分かりました。
親権者を私に変更することはできるでしょうか?
3.ご相談への回答
現在の監護状況が子供の利益にならない場合には、親権者が変更されることがあります。
(1)父母の合意で親権者を変更してもいいの?
離婚のときに父母の一方を親権者と決めても、その後、親権者の病気や死亡により親権を行使できないような場合や、親権者として不適当な事情がある場合には、親権者を変更することができます。
この場合、父母の合意だけで親権者を変更することはできません。
また、親権者が死亡した場合も、当然に他方の親が親権者になるわけではありません。
親権者を変更するためには、家庭裁判所に親権者変更の調停・審判の申立をする必要があります。
(2)親権者の変更はどんな基準で決めるの?
裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、親権者を変更するのが子供の利益になるかで判断します。
具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。
(3)どんな場合に親権者が変更されるの?
よく親権者の変更が問題になるのは、親権者の現在の監護状況に問題がある場合です。
(ケース1)
①事案:協議離婚で、母を長男(4歳)と長女(3歳)の親権者としたが、子供たちは父の両親の自宅で生活していることを理由に、父が親権者の変更を請求
②結論:親権者を父に変更した
③ポイント:父の監護養育により生活が安定している、母の監護養育に問題がある
④判例:裁判所は、①子供たちが父及びその両親に監護養育され、安定した生活を送っていること、②婚姻生活中、母は食事の世話等はしていたが、夜間のアルバイトをしていため、入浴や就寝は父がし、その間の子供の幼稚園の欠席日数も少なくないこと、③母は幼稚園の行事への参加に消極的で、保育料の支払もしていないこと、④母には監護補助者がなく、監護養育に不安があること、⑤強硬に親権者を主張する母に譲歩して親権者とされただけで、母に監護能力があることを認めて親権者が指定されたわけではないこと、⑥母は幼児がいながら婚姻期間中に不貞行為をし、監護意思や監護適格を疑わせることを理由に、親権者を父に変更しました(福岡高裁平成27年1月30日決定)。
ここでは、父による監護の状況や母親の監護の不適格性が重視されています。
(ケース2)
①事案:協議離婚で母が子供(10歳)の親権者とされ、母の実家で生活していたが、母が親族と不仲になって子供を置いて実家を出たため、父が親権者の変更を請求
②結論:親権者を父に変更した
③ポイント:母が子供を置いて実家を出て行った、子供が母と生活したくないと言っている
④判例:裁判所は、①母の実家で母の親族に監護されている状況に問題点がないこと、②母の親族と父との関係は良好だが、母の親族と母の関係は良好でないこと、③子供が母と生活したくないと述べていることを理由に、親権者を父に変更しました(東京家裁平成26年2月12日審判)。
ここでは、母親による監護の状況の変化や子供の意思が重視されています。
なお、この事案では、月に1回、子供が週末に父の自宅に宿泊して、父と子供との間に交流があるとされています。
親権者の変更は、様々な要素を考慮して判断されるので、一概には言えませんが、親権者が変更される場合のとして参考になるでしょう。
(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?
ところで、親権者を変更するかどうかを決めるにあたっては、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。
調査官は、子供に、監護の状況、例えば、子供の生活状況や心身の状況を聞いたり、親との関係や親権者についての意向を聞いたりします。また、親に対しても、就労状況、経済状況、子供との関わりなどについて聞きます。
他に、どちらが親権者としてふさわしいか意見を述べたりします。
子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。また、必要に応じて、学校や保育園等を訪問して調査をすることもあります。
調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに親権者の変更を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。
子供が15歳以上の場合、親権者の変更にあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。
4.ご相談者へのアドバイス
ご相談者の場合、元妻が実家を出て子供の面倒を看ずに、祖母が面倒を看ているということですので、離婚当初と監護の状況が変化しているといえます。
実家を出た経緯や、母と祖母との関係、子供と母の関係、子供と父の関係、子供の年齢や意思などの点が実際にどうなのか分からないので、直ちに親権者の変更ができるとは断言できませんが、現在の監護状況では子供の利益にならないような事情があれば、親権者が変更される可能性はあります。
ただ、当然のことながら、子供と父との関係が良好であることが前提なので、日頃からきちんと子供と交流していることが重要です。
5.今回のポイント
父母の合意だけで親権者を変更することはできません。
親権者を変更するためには、家庭裁判所に親権者変更の調停あるいは審判の申立をする必要があります。
親権者の変更は、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、親権者を変更するのが子供の利益になるかで判断します。
父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。
監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等によって判断されます。
親権者の変更にあたっては、子供との関係が良好であることが前提なので、日頃からきちんと子供と交流していることが重要です。
親権者を変更するかどうかを決めるにあたっては、家庭裁判所調査官が子供や親に対して調査をすることがあります。
裁判所は、調査官の報告書をもとに親権者の変更を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。