今回は、妻に性交渉を拒否されているセックスレスのご主人から、セックスレスの離婚と慰謝料についてのご相談です。
結論:セックスレスを理由に離婚できる可能性があります。また、100~200万円程度の慰謝料を請求できる可能性があります
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目次
3-3.性交渉拒否(セックスレス)ってどうやって証明(立証)すればいいの?
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30代の男性(会社員)
①妻は30代(専業主婦)
②婚姻期間は2年
③子供なし
妻からセックスを拒否されています。結婚して2年になりますが、これまでに2~3回しかセックスしたことがありません。子供も欲しいのですが、疲れているとか、今はそんな気分じゃないとか言われて、1年半以上セックスに応じてもらえません。
妻の性交渉拒否(セックスレス)を理由に離婚できるでしょうか?
慰謝料はいくらもらえるでしょうか?
性交渉の拒否に正当な理由がなく、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由にあたり、離婚することができます。
性交渉の拒否の場合の慰謝料の相場は100~200万円程度です。
相手との協議や調停で合意できれば、セックスレス(性交渉拒否)を理由に離婚できるのは当然ですが、離婚を拒否されたときは、訴訟で法律が定める離婚原因が認められなければ離婚することができません。
法定の離婚原因には、①不貞行為(浮気・不倫)、②悪意の遺棄(同居・扶養の拒否)、③3年以上の生死不明、④強度の精神病による回復不能、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由があります。
⑤の「婚姻を継続しがたい重大な事由」には、例えば、暴力、暴言、虐待、浪費等がありますが、性交渉の拒否(セックスレス)もこれにあたります。
ただ、「婚姻を継続しがたい重大な事由」といえるためには、夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要なので、単に性交渉の拒否があったというだけでは足りず、性交渉の拒否によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。
また、性交渉の拒否について正当な理由がある場合には、離婚原因にはなりません。
逆に、性交渉を拒否されている場合に、異常な性交渉を強要したり、暴力をもって性交渉を強要したりすると、そのことが離婚原因となることもあります。
夫婦間で性交拒否、性交不能、性的異常がある場合、一般的に病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情のない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは原則として婚姻を継続しがたい重大な事由にあたるとされています(京都地裁昭和62年5月12日判決参照)。
(ケース1)
①事案:妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚を請求
②結論:離婚を認めた
③ポイント:1年4か月以上性交渉がない、夫がポルノビデオを見て自慰行為をしている
④判例:裁判所は、生活費に事欠く状態であるのに、夫が妻に十分説明することなく交際と称して出歩き、また、性交渉は入籍後5カ月以内に2~3回と極端に少なく、平成2年2月以降は全く性交渉がない状態であるのに、夫はポルノビデオを見て自慰行為をしているのであり、正常な夫婦の性生活からは異常であり、婚姻生活は既に破綻し、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を認めました(福岡高裁平成5年3月18日判決)。
(ケース2)
①事案:妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚を請求
②結論:離婚を認めた
③ポイント:1年4か月以上性交渉がない、4年以上別居している
④判例:裁判所は、4年以上別居していることの他、妻の性交渉の拒否について夫には責任が認められないことを理由に離婚を認めました(東京地裁平成15年1月29日判決)。
ちなみに、この事案では、妻は、性交渉を拒否したのは子宮筋腫の手術や流産によって性交渉に不安を覚えたからだと主張しましたが、妻の主張は認められませんでした。
(ケース3)
①事案:妻が夫の性的不能を理由に離婚を請求
②結論:離婚を認めた
③ポイント:結婚してから約3年半、性交渉がなかった
④判例:裁判所は、婚姻における性関係の重要性から、新婚旅行中だけでなく、約3年半の同居生活中に性交渉がもたれなかったことは、婚姻を継続しがたい重大な事由に当たるとして離婚を認めました(京都地裁昭和62年5月12日判決)。
夫婦の性生活は、その性質上、なかなか公にしにくい上、夫婦だけの密室で行われるので、性交渉を拒否していることを客観的に証明(立証)するのが難しいといえます。
実際、裁判でも、自分は性交渉を拒否していないとか、相手から性交渉を要求されていないといった主張がなされるので、そのような場合に証拠がないとこちらの主張を認めてもらえません。
性交渉拒否(セックスレス)を証明する手段としては、相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音によって、相手が性交渉を拒否していることや、拒否する理由等もよく分かるので、裁判官にも十分理解してもらうことができます。
録音できない場合には、日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。ただ、日記やメモは被害者自身が作成するので、録音よりは証拠としての価値は低くなってしまいます。
性交渉拒否(セックスレス)が原因で離婚する場合の慰謝料を決めるにあたっては、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々なので、明確な基準を作ることができないからです。
慰謝料の金額を決めるにあたっては、セックスレスの期間や原因、夫婦の年齢、資産・収入、婚姻期間、結婚生活の状況、子供の有無等が考慮されます。
(ケース1)
①事案:妻が夫の性的不能を理由に離婚と慰謝料を請求
②結論:100万円
③ポイント:結婚して同居してから約2年間性交渉がない、夫の性的不能が婚姻後に精神的な原因で生じた
④判例:裁判所は、約2年間の同居期間中、一度も性交渉がないが、子供がなく、性的不能が婚姻後に生じたもので、不能の原因につき夫に責任があるとまではいえないことや、夫が妻を家政婦同然に扱っていたことは認められるが、故意に苦痛を与えようとしたものではなく、夫の性格に起因することを理由に、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成16年5月27日判決)。
(ケース2)
①事案:妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚と慰謝料を請求
②結論:120万円
③ポイント:1年4か月以上性交渉がない、夫がポルノビデオを見て自慰行為をしている、夫が生活や性交渉の改善を約束しながら改めなかった
④判例:裁判所は、性交渉拒否の他、生活費に事欠く状態なのに夫が交際と称して出歩いていたことや、改善の約束をしたのに態度を改めないこと等から、120万円の慰謝料を認めました(先程の福岡高裁の事案)。
(ケース3)
①事案:夫が妻の性交渉の拒否を理由に離婚と慰謝料を請求
②結論:150万円
③ポイント:性交渉がない期間は5か月だが、妻に侮辱、暴言、暴力があった、前夫とも性交渉の拒否が原因で離婚した
④判例:裁判所は、性交渉の拒否は妻の精神的に性交渉に耐えられない性質によるもので、結婚当初から5か月の同居期間中、一度も性交渉がなく、夫が性交渉を求めると、侮辱し、暴言を吐き、暴力を振るい、突然実家に帰ったことを理由に、150万円の慰謝料を認めています(岡山地裁津山支部平成3年3月29日判決)。
(ケース4)
①事案:妻が夫の性的不能を理由に離婚と慰謝料を請求
②結論:200万円
③ポイント:結婚してから約3年半、性交渉がなかった、夫が性的不能を隠して結婚した
④判例:裁判所は、婚姻生活における性関係が重要であり、性的不能によって子供をもうけることができないという重要な結果が生じることからすると、性的不能であることを告知しないことは違法として、200万円の慰謝料を認めました(先程の京都地裁の事案)。
こうしてみると、性交渉拒否(セックスレス)の慰謝料の相場は100~200万円程度といえます。
ご相談者の場合、「疲れている」とか「今はそんな気分じゃない」等と言われてセックスを拒否されていることからすると、病気など身体的な問題があるわけではないので、セックスの拒否に正当な理由はないでしょう。また、1年半もセックスがないので、夫婦生活は破綻している可能性は十分にあります。したがって、離婚が認められる可能性は十分にあるでしょう。
慰謝料については、ケースバイケースなので、何ともいえませんが、100~200万円程度と思われます。
性交渉の拒否(セックスレス)も「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たり、離婚することができます。
性交渉の拒否(セックスレス)が「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるためには、性交渉の拒否によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。
具体的には、夫婦間で性交拒否、性交不能、性的異常がある場合、病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情のない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは原則として婚姻を継続しがたい重大な事由にあたるとされています。
性交渉の拒否について正当な理由がある場合には、離婚原因にはなりません。
性交渉拒否(セックスレス)を証明する手段としては、相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音できない場合には、日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。
性交渉拒否(セックスレス)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、セックスレスの期間や原因、夫婦の年齢、資産・収入、婚姻期間、結婚生活の状況、子供の有無等が考慮されます。
性交渉の拒否(セックスレス)を理由とする慰謝料の相場は100~200万円程度です。
6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ
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7.弁護士費用(税別)
① 離婚交渉・調停事件
着手金 30万円(さらに10%OFF)
報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。
② 離婚訴訟事件
着手金 40万円(さらに10%OFF)
報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)
※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。
③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)
300万円以下の場合 16%
300万円を超えて3000万円までの場合 10%+18万円
3000万円を超えて3億円までの場合 6%+138万円
④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)
1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額
⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)
着手金 15万円
報酬金 0円
⑥ 着手金以外に日当は発生しません。
その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。